半導体大手のエルピーダメモリが、産業活力再生特別措置法(産業再生法)に基づく公的資金を活用した資本注入制度を申請したことが23日、分かった。政府が近く認定し同制度の適用第1号となる見通しだ。
支援策では、日本政策投資銀行が300億円を出資するほか、100億円を融資する方向で調整している。合わせて、三菱東京UFJ銀行など4行を中心に、900億円前後を協調融資する見込みだ。
エルピーダはパソコンなどの記憶装置に使われるDRAM事業で世界3位のシェアを持つ半導体大手。世界的な金融・経済危機による需要低迷と過剰供給による市況下落で、平成21年3月期連結決算は1788億円の最終赤字を計上し、財務体質の強化が急務となっていた。
4月末の産業再生法改正により、世界同時不況で業績が急速に悪化した企業の財務体質強化や再建に、公的資金の投入が可能となった。海外勢との競争に勝ち残るには、新たな資金調達による多額の設備投資が不可欠なことから、公的資金の活用に踏み切った。
エルピーダは台湾の半導体メーカー3社との提携交渉を進め、台湾の公的資金を活用することも検討している。